ビジネスの世界に笑顔を作る
働く人を笑顔にする藤森社長にインタビュー
この記事は田畑咲紀が作成しました。
今回インタビューした方はこちら!
ASIMOV ROBOTICS株式会社
代表取締役CEO
藤森 恵子
早稲田大学理工学部卒業。コンサル会社を経て、独立。2018年にASIMOV ROBOTICS株式会社設立。
2019年3月ビジネス・ブレークスルー大学大学院 修了。ASIMOVのビジネスモデルをベースとした新規事業計画は「大前研一学長特別賞」と「卒業研究優秀賞」を大学院史上初となるW受賞。
藤森社長、本日はよろしくおねがいします。
よろしくおねがいします。
まず初めに、コンサルティングから公認会計士そして現在のASIMOV ROBOTICSを立ち上げた面白い経歴をお持ちの藤森社長ですが、ASIMOV ROBOTICSを立ち上げるまでのことを教えてください。
元々、「物事を正しい方向に変えていく」仕事をしたいと思い、戦略系のコンサルティング会社に就職しました。その中でもっと専門性を付けようと思い、その会社をやめて会計士の資格を取り、監査法人で勤めました。「物事を正しい方向に変えていく」という目標のために働いていましたので、コンサルの会社を辞めることに違和感はありませんでした。
学生時代の時から公認会計士、MBAを取りたいと思っていたのですか?
学生時代は全然そうは思っていませんでした。元々、理工学部に入っていて、宇宙飛行士になりたかったのです。それで入学したのですけど、大学に入ったら、男性のパソコンのプロフェッショナルの人たちがいっぱいいて、女子高から入学した私は、かなわないなと思いました。ただ、コミュニケーションを取ることは割と得意だったので、そのバックグラウンドを生かしていろんな仕事を探していきました。お客さんとコミュニケーションを取りながらやっていける仕事であることと、専門性をつけたくて、会計士の資格を取りました。
なるほど!では資格を取った後の会計士の仕事はどうでしたか?
会計士の仕事をしていく中で、数字をチェックするだけでなく、会社の内部統制を評価することが重要であることを知りました。会計士の仕事って、数字を見ているイメージが強いんと思うんですけど、実は数字そのものよりも、その評価の数字をどのようなプロセスを経て会社がつけているのかという部分を確認しています。大きな会社になると確認する伝票が何千枚もあるので、全てをチェックする訳には行かないですよね。
そんな仕事の中で、会社にきちんとした体制があることの大切さや、評価をするプロセスにすごく興味を持ちました。そして、労働人口減少の中で生産性向上という問題解決にさらに力を入れたいと思いました。
どのタイミングでRPA(パソコン上の業務をロボットで自動化するテクノロジー)に目をつけたのですか?
税理士事務所で働いていた時、経営コンサルティングをメインの業務としていました。公認会計士は、上場企業を相手としていたので、比較的大きな会社相手に話をしていたんですね。だけど、税理士事務所に入ってからは、中小企業が多かったんです。そのときに会社によってITのデジタル化の度合いが違うことに驚きました。私は一応、会計の知識もあり、業務フローの大切さも知っていて、かつ、ITの方にも土地感があったということで、会社内部の仕事を効率化せるために、パソコン上の業務をロボットで自動化するテクノロジー(RPA)に目を付けました。
きっかけはロボットで自動化することでもっと中小企業の作業効率を上げたいという事だったのですね!
そこから一人で起業されたのですか?
そうですね。2018年8月に、私1人で会社を設立しました。ただ何もないところから起業したわけではなく、税理士事務所で働きながらビジネス・ブレークスルー大学院(経営指導・人材育成教育を学ぶ大学院)に通っていました。
卒業したのが2019年の3月だったのですが、その時、今のCMOの中村も同じビジネス・ブレークスルーに通っていて、今までの会社に不満を持ってなかったけど、ふいに、「飲み会とか楽しくなくなってきた。現状のままで満足している人たちと話をするより、もっと違うことをやってみたいな。」と言い出したんですね。そこで「一緒にやろうよ。」と説得して、参画してくれました。
私が営業を本格的にやったことがなかったので、営業の人が欲しかったんです。 そして、次に必要なのはエンジニアです。今のCTOの斎藤はSIerに勤めていて、かつ理工学部出身というバックグラウンドがあり、一緒にやらないかと誘いをかけました。ただ、その時彼は、転職したばかりで、まさか来るとは思っていなかったんですね。最初は友達をあたってくれました。だけど、しばらくして、「いろんな人を説得していくうちに、そんなにいい会社だったら僕自分で入った方がいいんじゃないかと思いました。来ます!」と言ってくれてうちに来てくれたのです。二人には本当に感謝しています。
そうなんですね。立ち上げてから、苦労したことや、嬉しかったことはありますか?
苦労したことは沢山あります。中村いわく、「戦後の焼け野原を歩いているようだ」と最初の頃を表現していましたね。本当に0からのスタートで、私がいた税理士法人とか、お客さんを若干は紹介してもらったりはしたんですけど、土地感のないところからお客さんを探してっていうところで、本当に手探りでした。
例えば、お客さんに「見積書を出してください」と言われて、作り方も見本もないんですよ。ネットで調べて作っといてと中村に言うけど、作ったことないのですごく調べていて。私は見たことがあったので、「足りない項目があるよ」とかそういうレベルでしたね。
そして特に、ビジネスモデルを作ることに苦労しました。RPAって、自分でロボットを作るという形で売り出されていたんですけど、言われているほど簡単ではないんですね。そうなったときに、気持ちの余裕もないし、そういう作業をしてくれる人材もいない。 でも、私たちが開発をして、ロボットを提供して、かつ、メンテナンスとアフターフォローまですべてこちらでやるというモデルを打ち出したんです。
すると、やっぱりメンテナンスは随時発生するので、結構時間が取られて手間なんです。それでエンジニアと「こんなモデルできるわけない」「いやでも、これをやらなかったら、中小企業は使いこなせないから」ってバトルしたんです。けれど、意見を言い合いながらも彼らは頑張ってくれて、どういう風にしたら、メンテナンスがきちんと出来て、しかも価格を抑えられるかと、編み出してくれたんですね。そこまでは試行錯誤の連続で、モデルが確立してから落ち着いて、みんなこれは面白いという風に言ってくれるようになりました。
モデルを確立するまでの期間は本当に大変だったんですね……!ちなみにASIMOV ROBOTICS株式会社の名前の由来って何ですか?
当時、ヨーロッパでロボットというと、人に敵対するようなイメージだったらしいんですね。しかし、人と協業する、人のアシスタントになるというプラスのイメージを小説に書いたのがロシアのSF作家 アイザック・アシモフでした。その中で、人に危害を加えない、人間の命令に服従する、自己を守る、というロボット三原則を打ち出したんですね。今までのロボットの概念を覆した方なのです。そこで、今回のRPAも人のアシスタントとして、活躍するソフトウェアなので、ASIMOV ROBOTICSとつけました。
今でこそロボットは身近でプラスのイメージしかないですけどね!人のアシスタントとして、活躍するロボット!すごくいいですね!
そうですね。ロボットはあくまでも、アシスタントであるべきだと思っているんですよ。どこまでかというと、人が楽しく、仕事をできるところまでアシストできるんだったら、できる限りロボットにやらせたらいいと思っていて、でも物事を考える仕事は、いくらAIが発達してもできるものではないので、その仕事に人が集中するために余計な仕事は全部ロボットにやらせるようになると、社会が変わっていくのではないかと考えています。人によって、考えは違うと思うんです。できる限りロボットにやらせたい人もいれば、ある程度のところは自分でやりつつも、大変なところだけロボットに委ねたいなどね。私はどっちでもいいと思っていて、私たちのビジョンに、「とにかく日本中を笑顔にする」というのがあるので、人が楽しく仕事をできるためにロボットを使ってほしいです。
素敵なビジョンですね!
今の会社の組織についてお聞かせください。
会社はとても親しみやすい雰囲気ですね。4周年設立のときは、風船で飾り付けをしました。去年からやっているんですけど、私はそういう飾り付けとかお祭りが大好きで、せっかくだったら気分盛り上げたいねって企画しました。夜な夜な風船を膨らませたんです。去年と同じだとつまらないから、今年はシャンパンの風船にしました。
社員の皆さんとやることは楽しいですね、静かに見ている人や一生懸命準備している人など、いろんな社員がいますけど、みんな楽しんでくれているみたいです。節目って、すごく大事なことだと思うんです。設立から今まで助けてもらった人たちに感謝する時間というふうに思っているんです。感謝する気持ちを1年に1回、思い出してほしいので、そこはきちんとやるようにしています。
素敵な習慣ですね。すごく和やかな雰囲気です!
私はいま学生なのですが、社長が学生時代に夢中になったことはありますか?
私は旅行が好きでしたね。海外旅行なんですけど、バックパッカーをしていました。あまり興味持ってない人も多いと思うんですけど、言葉通じない国に行くと、めちゃくちゃ面白いんですよ。何するにしても不自由なんです。全てが不自由なところで、1人で生きていくために必死でやっていくってすごくいい経験で1番面白かったし、ワクワクしました。
特にワクワクした国はありますか?
中国ですね。
今はすごく発展してますけど、当時まだまだそうじゃないところで、漢字で意思疎通を図ったり、ジェスチャーで気持ちを伝えたり。飛行機のチケットをとるにしても飛行機って書いてもわかんないんですよ。困ったなと思って、手を使い、擬音語を使い、みたいなわけのわからないこと言って通じたこともあったりしました。あとは全く文化が違うので、並ぶという習慣がないんですね。バスに乗るにもバスが来たら、人が入り口に向かって一緒に並行して走るんですよ。山のように人が向かっていくので、体当たりをしないと入れないし、出ていくときも譲るとかないので、割り込まないと出られないみたいな。すごく刺激的でしたね。
でもこの国民性や文化というのは、土地を見れば納得するところがあるんです。地理学って言うんですけど、中国の山の中に行くと、真っ赤な大地で、木1本も生えてないみたいなところがあるんですが、こういう自然環境の厳しいところで生きていくためには、突進していかないと生きていけないんです。だから、中国はこういう文化になったんだって、すごく納得するんですよね。そういう土地とか気候をその人たちの文化とすり合わせると、すごく面白いんです。結婚してからも家族で海外旅行は行くんですけど、大体ツアーでは行かないので、オーストラリア縦断やアリゾナ一周みたいな旅をします。オーストラリア英語が思った以上に聞き取れなかったり、季節も日本と逆だったり。そういうことも楽しいし、逆というだけではないものがあって規模感も違う。同じ谷でも日本の谷の様子とは全然違って、こういうのを日常的に見ている人ってどういう発想するんだろうって、なんでも考えたら面白いんですよ。今でもそういう風に考えることは好きですね。
海外に行くと知らなかった体験がたくさんできますよね!
では最後に、藤森社長は、学生に期待することはありますか?
私のときの学生と今の学生さんは全然違いますよね。私たちのときは、あまりいいことじゃないんですけど、勉強してなかったんですよね。でも、その中でも、単にフラフラ遊んでいた人と本気で遊んでいた人がいるんです。なので、勉強でも遊びでもなんでもいいので、本気でやってほしいなって思います。1回でも本気になったレベルがあると、そこまでは次から頑張れるんですよ。だけど、ずっと8割型の力で頑張ってきた人って、何があっても8割しか力出せないんです。1回限界を突破してしまえば、分野が変わっても絶対頑張れるはずなんです。私たちも面接するときに昔やっていたバイトとかクラブ活動について聞くんです。なぜかというと、将来のことをきくと、いくらでも言えるんです。でも、過去に頑張ってきたことはごまかせないんですね。なので、過去に頑張ってきた人なら、次も必ず頑張ってくれると思うので、なんでも本気でやってもらいたいです。
なるほど、確かに頑張ってきたかどうかは大切だと私も思います。
今の学生に大切なことですね。
本気でやることを忘れず、残りの学生生活を楽しみたいと思います。
本日は、お忙しい中お時間をいただきありがとうございました。
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〈RPAが変える世界は、人がもっと楽しめる〉